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近接から中間距離においての

蟷螂拳は、近接から中間距離においての素速いスピードの攻防を得意とする門派であるが、より戦法上の自由を広げる為に、ロングレンジの間合いにおいて優位に戦える長拳を取り入れた長拳螳螂門などの分派も存在する。これは別に体の回転のみで威力を生み出す為、威力が弱くなりがちな蟷螂拳の欠点を少林拳、長拳の威力で補う優れた教授法である。

近代に創られた高級な拳技であり、非常に実戦的な拳法である。一例を挙げるなら、足払い等の技は実戦時の緊張がもたらす視野狭窄状態を利用して視野の外から敵の足を刈るなど、よく工夫されており、蟷螂腰斬など視野の外からの腰部への掌打、足払いへとつなぎ敵を倒す技法等、その実戦性は高く評価されている。

蟷螂拳の看板、代名詞ともいえるカマキリがセミを捕らえる形の蟷螂捕蝉式は、一般には構えと見られているが、実際は実用上の技の一種である。蟷螂手で相手の腕を巻き込み引き回し敵の体勢を崩す用法である。その他にも捕蝉式の応用型である呑トウ低捕蝉式もあり同様の用法である。

套路としては(七星派・梅花派を例に)崩歩拳(基礎を学ぶ)、虎燕拳(小・中・大の三種、秘宗拳にもあり少林拳よりの引用)、十八曳拳、打剛拳(弾腿より引用)、梅花拳、梅花手、梅花落拳(梅花派の套路)、小・大翻車拳(接近戦を学ぶ)、柔霊拳、飛雁掌拳、四路奔打、欄載拳(上・中・下の三種、高級技法を学ぶ)、蟷螂入洞拳、蟷螂愉桃拳(蟷螂拳の精髄)、黒虎双交拳、白猿愉桃拳(跳躍技・少林拳の技法)、白猿出洞拳、白猿入洞拳、白猿献果、蟷螂手(小・中・大の三種、蟷螂手技法を学ぶ)、酔蟷螂拳、酔羅漢拳(酔拳、地尚拳の技法)、大架式拳、小架式拳、総敵拳、適要拳(上・中・下の三段、重要な技を摘出し学ぶ)、分身八肘拳(接近戦、肘技を学ぶ)、領崩歩拳、蟷螂争食(対打法)、18路羅漢功(健康法を学ぶ)、剣、根、刀、槍各種武器術などがあり、すべての派の型の数をあわせると50以上もの数にものぼる。

この套路の数の多さは歴史上、上海精武体育会において教授を行った七星派の羅光玉がやたらに数多くの学生の関心を集めるために他門派との技術交流を積極的に行い、他門派の套路をそのまま取り入れ、やたらに増やしてしまったためである。猿拳系の門派との交流で、長拳系の飛んだり跳ねたり動作の多い猿拳の白猿愉桃拳、白猿献果の套路を取り入れる等、数を増やしすぎた結果蟷螂拳本来の個性、意義からかけ離れてしまったり、学ぶにせよ数が多すぎて覚えきれず学習を辞めてしまう等、様々な弊害を生み出している。実際には本場中国大陸などでは10種前後の套路を学ぶレベルでしかない。

また套路以外にも十路破法という1式から10式までの実戦技法群もあり、いわゆる「絶招」の招法が伝えられている。これはある状況を設定したその場に応じての実戦技法であり幾つかのパターン別に整理・構成されている。その他にも1調子で飛び込み敵の先手を奪う技法式や、敵が自分の間合いに入り攻撃したときに、突然に用いる技法招式である先行18手などがあり、套路以外にも幾多の技法招式が伝承されている。

メディアにおける取扱い [編集]
蟷螂拳はその外見・名称から一般的に酔拳にも増して多大の誤解・曲解・偏見を受けている門派であると言える。 過去に「マカロニほうれん荘」や「男組」などの漫画あるいはタレント関根勤の持ち芸カマキリ拳法等で蟷螂拳が取り上げられることがあったが、蟷螂拳がカマキリの象形を元にして作られたという伝説ばかりが注目されたせいか、酷く滑稽な色物として扱われている(以後、「男組」の原作者雁谷哲はこれらを考慮して実在の武術を作品に使用することを避けている)。実践者にとっての蟷螂拳も表演(演武)においては演出として必要以上にカマキリの動きのみを強調する事がよくあり、それが原因で蟷螂拳を実際に目にしたことのある人間にさえも、怪しげな武術だと思われている節がある。だが実際は近代中国武術の中でも特に実戦性に優れた拳であり、それは范旭東、楊維新、林景山、羅光玉、王伝義など数多くの達人を輩出していることでも証明されている。

実践者でさえも陥っている誤解に「蟷螂拳は技が軽く、スピードと連打で攻めなければ他の拳に勝てない。」との説があるが、蟷螂拳の中興の祖の一人といわれる姜化龍の逸話に次のようなものもある。

「地震によって崩れてしまった自宅から弟子の作った新築の家に引っ越した際に、「頑丈で大丈夫な家です。」と保証する弟子の言葉を聞いたが、ふと思い、家の中央にある太い木で作られた大黒柱に掌で軽く発勁すると、途端にせっかくの新築の家はガラガラと崩れ去り、お祝いに駆けつけた弟子たちと共に瓦礫に埋もれて難儀した」

また蟷螂拳の「出勢」と称される独特の素早い重心移動からの攻撃の威力は、決して他門派に較べて劣るようなものではない。

蟷螂拳を使う人間は痩せた小柄の者だというイメージを持つ人もあるが、蟷螂拳の発祥地である山東省の人々は昔から大柄な人が多く、有名な伝承者にも身長180センチを超える大男が多く存在した。 その為、蟷螂拳は身長の大きな人間が、その体格を活かして豪快に戦うことにも便利な拳である見る人もいる。

尚、映画の中でよく見られる蟷螂拳は純然たる北派蟷螂拳ではなく南派やビルマやインドネシアなどの東南アジアにあるカマキリを模した拳法からも影響を受けておりそれが誤解を招いている面もある。確かに骨子は香港精武体育会で蟷螂拳を学んだ映画人が香港映画界で表演したものが主ではあるが、これを劉家良が各種のカマキリ拳法の特色を映画用にアレンジしたものがスクリーンの中で一般化したものと考えたほうが良い。これは実際の蟷螂拳ではそれほど多くの蟷螂手は多用していない事からも明らかである。

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2009年04月14日 10:59に投稿されたエントリーのページです。

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